サンゴとは? 一見すると動きがまったくないことから、サンゴ礁を構成するサンゴは「植物」あるいは「鉱物」のように考えている人もいるかもしれませんが、サンゴは、イソギンチャクやクラゲと同じ刺胞動物と呼ばれる「動物」で、小さな個体がいくつも集まって群体を形成しています。
サンゴのしくみは?
サンゴは石灰質の骨格と「ポリプ」と呼ばれる本体でつくられています。 これは海の中の様々な場所に固着するのに適した構造をしていて、イソギンチャクのような見た目をしたものが多く存在し、触手に囲まれた口部分から摂餌・排泄・産卵を行います。
造礁サンゴの分類は?
造礁サンゴは、クラゲやイソギンチャクと同じ刺胞動物門に属する。 刺胞動物門は、ヒ ドロ虫綱、鉢虫綱、花虫綱の三綱に分けられ、造礁サンゴはヒドロ虫綱、花虫綱に属して いる(図Ⅰ-1-1-1)。
サンゴの働きは?
サンゴは褐虫藻に住み家を提供し、かわりに褐虫藻が光合成によってつくり出した酸素や、炭水化物、たんぱく質などの有機物を栄養として受け取っています。 一部は粘液として体外に分泌し、小さな生き物たちの栄養分になります。 海の豊かな生態系はサンゴがベースになってつくられているといえます。
サンゴが死滅すると海はどうなる?
たとえば、海の生き物の4分の1はサンゴを棲み家にしていて、サンゴが絶滅すると海洋生物の過半数がなくなると言われています。 また、二酸化炭素を吸収し、熱帯雨林に匹敵するほどの二酸化炭素を体内に留めているとも。 つまり、私たちの豊かな食生活だけでなく、地球温暖化からも守ってくれているのです。
サンゴは何を食べるの?
サンゴは主に体内に共生している褐虫藻(植物プランクトン)から栄養を取っています。 昼間は、太陽の光を利用して褐虫藻に光合成をしてもらい、その栄養の一部をサンゴが受け取っています。
サンゴは何年生きるの?
珊瑚の寿命はおよそ数十年ほどであり、私たち人間とさほど変わらないものもいる中、サイズの大きい珊瑚は数千年にも及びます。 付け加え「珊瑚礁」と比べ、珊瑚の成長スピードは大変遅く、種類によっては一年で僅か1cmしか成長出来ないのも存在します。
サンゴの骨格の化合物は?
サンゴの骨格は、石灰質(炭酸カルシウム)でできている。
サンゴの栄養源は?
褐虫藻は光合成によりつくり出した栄養のほとんどを、サンゴに手渡します。 サンゴは栄養のおよそ半分を海中へ放出します。 サンゴ礁の海に生きものがたくさん住めるのは、褐虫藻がつくる栄養源のおかげだったのです。
サンゴは何を食べる?
サンゴは主に体内に共生している褐虫藻(植物プランクトン)から栄養を取っています。 昼間は、太陽の光を利用して褐虫藻に光合成をしてもらい、その栄養の一部をサンゴが受け取っています。
サンゴの水質浄化は?
サンゴは褐虫藻による光合成産物や海中のプランクトン 等の有機物で成長し、海中のカルシウムを固着させて石灰化します。 サンゴの作り出す複 雑な空間地形には、多種多様な生物が共存し、サンゴ礁は水産生物の生産の場や水質浄化 としての重要な機能を持ちます。
サンゴの生育温度は?
サンゴの生息に適した水温は25~29℃。 サンゴの体内には、褐虫藻という単細胞の藻類が生息して光合成を行っていますが、海水温が2℃高くなるだけで、この褐虫藻が死滅することにより色が抜けます。 褐虫藻からの有機物の供給が途絶えると、ほとんどのサンゴは死んでしまいます。
サンゴの食害生物は?
サンゴを主な食物とする生物としてオニヒトデやサンゴ食巻貝と言われる小型の巻貝類が知られています。 彼らは成長の早いミドリイシ科のサンゴを好んで食べる傾向があります。 それによって、成長の遅い他のサンゴが生息できたり、稚サンゴが加入するための裸地を提供します。
サンゴの天敵は?
サンゴの天敵であるオニヒトデの大量発生はインド洋・太平洋に分布するサンゴ礁生態系における最も大きな脅威の一つです。 沖縄から本州の温帯域においても慢性化・頻発化しているオニヒトデの大量発生による食害が問題になっています(図1)。